【試験対策】第33回介護福祉士国家試験。解答と解説。「介護の基本」を分かりやすく説明いたします。【過去問】

 
むなかた
ご訪問ありがとうございます。
むなかたと申します。

今回は第33回試験過去問の中から、「介護の基本」について解説していきたいと思います。

私の経験から言わせていただくと、介護福祉士の試験は過去問をしっかりと解いて、分からないところや間違えたところをしっかりとやっていけば、テキストなどを買わなくても、充分に合格が出来る問題だと思います。

試験合格に向けて、しっかりと過去問に触れていきましょう!

では、早速始めていきたいと思います。

介護の基本

問題17

「2016 年(平成 28 年)国民生活基礎調査」(厚生労働省)における、同居の主な介護者の悩みやストレスの原因として、最も多いものを 1 つ選びなさい。
1 家族の病気や介護
2 自分の病気や介護
3 家族との人間関係
4 収入・家計・借金等
5 自由にできる時間がない
答えは1です。

参考:「2016年(平成28年)国民生活基礎調査」厚生労働省

解説:
詳しく知りたい方は、「2016年(平成28年)国民生活基礎調査」厚生労働省を参照ください。

問題18

「価値のある社会的役割の獲得」を目指すソーシャルロール・バロリゼーション(Social Role Valorization)を提唱した人物として、正しいものを 1 つ選びなさい。
1 バンク-ミケルセン(Bank-Mikkelsen, N.)
2 ヴォルフェンスベルガー(Wolfensberger, W.)
3 メイヤロフ(Mayeroff, M.)
4 キットウッド(Kitwood, T.)
5 ニィリエ(Nirje, B.)
答えは2です。

バンク・ミケルセンが提唱したノーマライゼーションを、ニィリエが①一日のノーマルなリズム②一週間のノーマルなリズム③一年間のノーマルなリズム④ライフサイクルにおけるノーマルな発達経験⑤ノーマルな個人の尊厳と自己決定権⑥ノーマルな性的関係⑦ノーマルな経済水準とそれを得る権利⑧ノーマルな環境形態と水準、という8の原理にまとめて、それをヴォルフェンスベルガーが北米に拡めていきました。

解説:
3のメイヤロフは、『ケアの本質:生きることの意味』の著者。
「ケアの主な要素」として、知識、リズムを変えること、忍耐、正直、信頼、謙遜、希望、勇気の8つをあげています。

4のトム・キットウッドは、1937年イギリス生まれの心理学者。認知症の人を”一人の人間”として尊重し、その人の立場に立っておこなう認知症ケアの理念「パーソンセンタードケア」を提唱しました。

問題19

ICF(International Classification of Functioning, Disability and Health: 国際生活機能分類)における環境因子を表す記述として、最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼs type)である。
2 糖尿病(diabetes mellitus)があるため服薬をしている。
3 医者嫌いである。
4 町内会の会長を務めていた。
5 娘が近隣に住み、毎日訪問している。
答えは5です。

環境因子の中でも、人的環境にあたります。

参考:国立特別支援教育総合研究所

解説:
1は健康状態にあたります。
2も健康状態ですかね。
3は個人因子になります。
4は参加ですね。

問題20

利用者の自立生活支援・重度化防止のための見守り的援助に関する次の記述のうち、最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 ごみの分別がわからない利用者だったので、その場でごみを分別した。

2 利用者の自宅の冷蔵庫の中が片づいていないので、整理整頓した。

3 トイレ誘導した利用者の尿パッドを、本人に配慮して無言で取り替えた。

4 服薬時に、薬を飲むように促して、そばで確認した。

5 利用者が居間でテレビを見ているそばで、洗濯物を畳んだ。

答えは4です。

自立支援なので、利用者さんにやっていただくことが大切です。どこまで介助が必要で、どこからご自身でできるのかを見極めるのがアセスメントの時に必要。

解説:
他は援助者がやってしまっているので違います。

問題21

高齢者のリハビリテーションに関する次の記述のうち、最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 機能訓練は、 1 回の量を少なくして複数回に分けて行う。

2 基本的な動作を行う訓練は、物理療法である。

3 関節障害のある人の筋力訓練は、関節を積極的に動かすことが効果的である。

4 パーキンソン病(Parkinson disease)の人の訓練では、体幹をひねることは避ける。

5 関節リウマチ(rheumatoid arthritis)の人の訓練は、朝に行うことが効果的である。

答えは1です。

高齢者の機能訓練の場合、1回の量が多いと負担になり疲れてしまう事もあるので、回数を分けておこなう事で強負荷にならないようにします。

解説:
2 物理療法ではなく理学療法です。
3 関節に負荷がかかり過ぎることがあります。
4 体幹は鍛えましょう。
5 動かしにくさは朝に出ることが多いので朝は避けた方良いでしょう。

問題22

施設利用者の多様な生活に配慮した介護福祉職の対応として、最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 夜型の生活習慣がある人に、施設の就寝時刻に合わせてもらった。

2 化粧を毎日していた人に、シーツが汚れるため,化粧をやめてもらった。

3 本に囲まれた生活をしてきた人に、散乱している本を捨ててもらった。

4 自宅で畳に布団を敷いて寝ていた人に、ベッドで寝てもらった。

5 自宅で夜間に入浴をしていた人に、夕食後に入浴してもらった。

答えは5です。

解説:
1 集団生活なので難しい部分もありますが、出来たら今までの生活に配慮したいですよね。
2 シーツを換えて洗いましょう。
3 いじめ⁉️
4畳に布団のままでいいですよね。

問題23

 介護医療院に関する次の記述のうち、最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 入所できるのは要介護 3 以上である。

2 介護医療院の開設は市町村から許可を受けなければならない。

3 入所者のためのレクリエーション行事を行うように努める。

4 入所者一人当たりの床面積は、介護老人福祉施設と同じ基準である。

5 サービス管理責任者を 1 名以上置かなければならない。

答えは3です。

解説:
1 介護医療院に入所できるのは、要介護1から5の方です。
2 介護医療院の開設は、都道府県知事から許可を受けなければいけません。
4 入所者一人当たりの床面積は、介護老人福祉施設では、10.65㎡。介護医療院では、定員4名以下で8.0㎡、転換の場合は6.4㎡以上となっています。
5 サービス提供責任者の配置は義務付けられていません。

問題24

 Eさん(女性、82 歳、要介護 1 )は、夫(80 歳)と二人暮らしである。
膝の痛みがあるが、夫の介助があれば外出は可能である。
最近Eさん宅は、玄関、トイレ、浴室に手すりを設置している。Eさんは料理が趣味で、近所のスーパーで食材 を自分で選び、購入し、食事の用意をしたいと思っている。
こうした中、Eさん宅 で介護支援専門員(ケアマネジャー)が関係職種を招集してサービス担当者会議を開くことになった。
Eさんの思いに添ったサービスの提案として、最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 訪問介護員(ホームヘルパー)による調理の生活援助の利用

2 介護支援専門員(ケアマネジャー)の手配による配食サービスの利用

3 社会福祉協議会の生活支援員による日常生活自立支援事業の活用

4 福祉用具専門相談員の助言による四輪歩行車の利用

5 通所介護(デイサービス)の職員による入浴サービスの利用

答えは4です。

食事の用意をしたいと思っているEさんの要望に合った提案となっています。

解説:
1 調理はできています。
2 食事の用意はEさんがされています。
3 自分で判断ができているので不要な援助です。
5 入浴は関係ありません。

問題25

介護施設におけるプライバシーの保護として、最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 ユニット型施設は個室化が推進されているため、各居室で食事をしてもらった。

2 個々の利用者の生活歴の情報を、ルールに従って介護職員間で共有した。

3 個人情報記録のファイルを、閲覧しやすいように机の上に置いたままにした。

4 着衣失行があるため、トイレのドアを開けたままで排泄の介護を行った。

5 家庭内の出来事や会話の内容は、情報に含まれないため記録しなかった。

答えは2です。

生活歴の共有は必要ですが、ルールに則っておこなうことが大切です。

解説:
1 個室で食事を食べるかどうかは、その人次第です。
3 閲覧しやすいところに置いてはいけません。
4 トイレに入っている時にドアを開ける人はいません。
5 家族内の会話なども情報として記録します。

問題26

ハインリッヒ(Heinrich, H.)の法則に関する記述として、最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 機能障害、能力障害、社会的不利という障害をとらえるための分類である。

2 人間の自己実現に向けた欲求を 5 つの階層で示したものである。

3 一つの重大事故の背景には、多くの軽微な事故とヒヤリハットが存在する。

4 患者が余命を知らされてから死を受容するまでの心理的プロセスである。

5 生活課題を抱えた人の支援をする上で必要な 7 つの原則である。

答えは3です。

一つの重大事故の背景には、重大事故にならなかった軽微な事故が29件、さらにその背後には事故にはならなかったものが300件の異常が隠れている、という考え方。

解説:
1 ICIDH(国際障害分類)の記述ですね。
2 マズローの欲求五段階説の記述です。
4 キューブラー・ロスの死の受容過程の記述。
5 バイスティックの七原則についてです。

それでは、今回はこの辺で失礼いたします。