むなかたと申します。
今回は第32回試験過去問の中から、「こころとからだのしくみ」について解説していきたいと思います。
私の経験から言わせていただくと、介護福祉士の試験は過去問をしっかりと解いて、分からないところや間違えたところをしっかりとやっていけば、テキストなどを買わなくても、充分に合格が出来る問題だと思います。
試験合格に向けて、しっかりと過去問に触れていきましょう!
では、早速始めていきたいと思います。
こころとからだのしくみ
問題 97
- 1 生命を脅かされないこと
- 2 他者からの賞賛
- 3 自分の遺伝子の継続
- 4 好意がある他者との良好な関係
- 5 自分自身の向上
好意がある他者との良好な関わりは社会的欲求と愛の欲求にあたります。
もう少し詳しい説明がWikipediaにあります。
気になる方は、こちらへどうぞ。
解説:
1、生命を脅かされない事は生理的欲求になりますので誤りです。
2、他者からの称賛は承認欲求になりますので誤り。
3、自分の遺伝子の継続は、調べてもはっきり分かりませんでした。
本能に組み込まれていると考えると生理的欲求でしょうし、社会的欲求ではないので消去法で4を正解としました。
5、自分自身の向上は自己実現欲求になりますので誤り。
問題 98
- 1 頭頂葉
- 2 前頭葉
- 3 側頭葉
- 4 後頭葉
- 5 大脳辺縁系
脳の機能局在に関する問題です。
頭頂葉はモノ(接触・圧力・温度・痛みなど)を感じて解析する機能、空間の知覚機能など感覚に関する情報を処理しています。
頭頂葉は身体の様々な部位からの感覚情報の統合や、数字とそれらの関係に関する知識、対象の操作などに関する機能に重要な役割を持つ。頭頂葉の一部は視覚空間処理に関わっているともされていて、頭頂葉は他の3つの大脳葉に比べてほとんどよく分かっていない大脳葉である。
Wikipedia より
解説:
2、前頭葉は思考・意思・創造力など、ものを考える機能、運動の指令を出す機能をつかさどります。
3、側頭葉は記憶や言語、音の解析や記憶の理解・感情制御・記憶や物事の判断・聴覚をつかさどる部分になります。
4、後頭葉は目から入る視覚情報を解析する機能、色や形などを処理する部分になります。
5、大脳辺縁系は情動の表出、食欲、性欲、睡眠欲、意欲などの本能、
喜怒哀楽、情緒、神秘的な感覚、睡眠や夢などをつかさどっており、記憶や自律神経活動をする部分になりますので誤りです。
問題 99
- 1 爪の白濁 チアノーゼ(cyanosis)
- 2 巻き爪 心疾患
- 3 さじ状爪 鉄欠乏性貧血(iron deficiency anemia)
- 4 ばち状指 栄養障害
- 5 青紫色の爪 爪白癬
鉄欠乏症では、爪がスプーン状に変形することがあります(匙状爪)。この変形は、特にプラマー-ビンソン症候群に特徴的なものです。
MSDマニュアル家庭版 より
解説:
1、爪の白濁は爪白癬や肝硬変が原因と考えられますので誤りです。
2、歩行の姿勢や足の形状、靴などが原因と考えられますので誤り。
4、肺癌や気管支拡張症など一部の肺疾患が原因と考えられていますので誤りです。
5、チアノーゼが原因と考えられますので誤り。
問題 100
- 1 歯がない場合に起こりやすい。
- 2 唾液量が多いと生じる。
- 3 ウイルス感染の原因となることがある。
- 4 食事量が増加した場合に起こりやすい。
- 5 他者との交流を避ける原因となることがある。
匂いを気にして他者と話をしなくなったり、近づかないようになったり交流を避ける原因となり得ます。
参考:口腔外科相談室 より
解説:
1、口臭は歯周病や虫歯が原因となることが多いため、歯がない場合には口臭は起こりにくいと考えられますので誤りです。
2、唾液量が多いと殺菌効果も高くなると考えられますので誤り。
3、ウイルス感染により口臭が強くなる事は考えられますが、その逆は考えにくいので誤りです。
4、食事量が増えると噛む回数も増えて唾液の分泌を促しますので、結果として殺菌効果が高まり口臭も抑えられると考えられますので誤り。
問題 101
- 1 転落によって生じることが最も多い。
- 2 骨折(fracture)の直後は無症状である。
- 3 リハビリテーションを早期に開始する。
- 4 保存的治療を行う。
- 5 予後は良好である。
早期にリハビリをおこなう事で能力の低下を防ぎ、予後を良好にする可能性が高くなりますので、早い場合には手術翌日から座位訓練が始まったりもします。
参考:日本骨折治療学会ホームページ
解説:
1、転倒によって生じる事が最も多いので誤りです。
2、骨折直後から痛みがある事が多いので誤り。
4、全身状態が手術に耐えられない場合などを除いては、基本的には手術がおこなわれます。なので誤りです。
5、療養中の安静や痛みによる運動量の低下などでADLが落ちる事が多いので、予後は良好とは言えず誤りです。そのために早期のリハビリがおこなわれるようにもなっています。
問題 102
- 1 先行期は、唾液分泌が増加する。
- 2 準備期は、嚥下性無呼吸がみられる。
- 3 口腔期は、喉頭が閉鎖する。
- 4 咽頭期は、食塊を形成する。
- 5 食道期は、随意的な運動である。
梅干しを思い出したら唾液が出るのと同じで、食べ物を見て脳が食べる準備をするように指令を出して唾液が出てきます。
参考:日本赤十字社 高松赤十字病院 PDF
解説:
2、嚥下性無呼吸は食塊を飲み込む時に起こるので誤りです。
3、咽頭が閉鎖するのは咽頭期なので誤り。
4、食塊を形成するのは口腔期なので誤りです。
5、食道期は食塊を胃へと送る時期になりますが、私たちは意識して食道を蠕動運動させている訳ではないので随意的な運動とは言えません。なので誤りです。
問題 103
Jさんの排泄の状態として、最も適切なものを 1 つ選びなさい。
- 1 反射性尿失禁
- 2 心因性頻尿
- 3 溢流性尿失禁
- 4 機能性尿失禁
- 5 腹圧性尿失禁
機能性尿失禁とは排尿機能は正常にもかかわらず、身体運動機能の低下や認知症が原因でおこる尿失禁です。
たとえば、歩行障害のためにトイレまで間に合わない、あるいは認知症のためにトイレで排尿できない、といったケースです。この尿失禁の治療は、介護や生活環境の見直しを含めて取り組んでいく必要があります。
参考:日本泌尿器科学会ホームページ
解説:
1、反射性尿失禁は、膀胱に刺激が加わると不意に膀胱が収縮して排尿してしまう失禁です。交通事故などで脊髄の損傷、神経系の障害によって抑制中枢が完全に失われてしまったことによる後遺症の一つとしてみられます。尿意が大脳まで伝わらないので尿意をもよおすことがなく、膀胱からの感覚が刺激となり反射的に尿を失禁してしまいます。
2、緊張や不安によって起こる頻尿の事なので誤りです。
3、自分で尿を出したいのに出せないなど尿が出にくくなる排尿障害があ
り、溜まった尿が少しづつ漏れ出てしまう失禁の事なので誤り。
5、重い荷物を持った時、咳やくしゃみをした時などお腹に力が入った時に起こります。なので誤りです。
問題 104
- 1 1 日に約 1 g のたんぱく質が排出される。
- 2 1 日に約 10 g のブドウ糖が排出される。
- 3 排尿直後はアンモニア臭がする。
- 4 排尿直後はアルカリ性である。
- 5 排尿直後は淡黄色で透明である。
正常な尿は淡い黄色で透明である事が多いです。
参考:Wikipedia より
解説:
1、通常はタンパク質は排出されないので誤りです。
2、通常はブドウ糖は排出されないので誤り。
3、排尿直後はあまりアンモニア臭はしない。排尿後に尿の中の尿素が細菌によって分解される事によってアンモニアが発生して悪臭を出します。もし排尿からきついアンモニア臭がした場合は尿の通り道が菌に感染している腎盂腎炎、膀胱炎、尿道炎、前立腺炎などが考えられます。
4、排尿直後の尿は弱酸性です。なので誤りです。
問題 105
- 1 食物繊維の摂取不足
- 2 排便を我慢する習慣
- 3 腹圧の低下
- 4 大腸のけいれん
- 5 がん(cancer)による通過障害
便秘のタイプ
器質性・機能性・症候性・薬剤性。
さらに直腸性・痙攣性・弛緩性に分けられる。
弛緩性便秘の症状
腹痛は少ないがお腹が張る。硬く太いコロコロした便。肌荒れ。など
弛緩性便秘の原因
筋力低下。内臓下垂。食物繊維不足。水分不足。など
弛緩性便秘の解消法
適度な運動。おへそのぞき腹筋。逆さ自転車こぎ。お腹のマッサージ。ロダンの考える人の姿勢。食物繊維を摂る。発酵食品・乳酸菌を摂る。水分を摂る。規則正しい生活をする。など
解説:
2、直腸性便秘の原因なので誤りです。
3、腹圧の低下は、機能性便秘全てに言えるので、最も正しい答えでは無い。
4、大腸の痙攣は痙攣性便秘の原因になりますので誤り。
5、がんによる通過障害は直腸性の原因になるので誤り。
問題 106
- 1 就寝後,短時間で覚醒する。
- 2 夜間に十分睡眠をとっても,日中に強い眠気がある。
- 3 睡眠中に足が痛がゆくなる。
- 4 睡眠中に無呼吸が生じる。
- 5 夢の中の行動が,そのまま現実の行動として現れる。
主な副作用の眠気にあたります。
抗ヒスタミン薬とは
・神経伝達物質ヒスタミンの働きを抑えることでアレルギー反応を抑え蕁麻疹、花粉症、喘息などによる皮膚の腫れや痒み、鼻づまり、咳などの症状を改善する薬
主な副作用と注意点
- 眠気
- 抗ヒスタミン作用により脳の活動が抑えられ眠気があらわれる場合がある
- 薬剤によっても眠気の頻度や症状の度合いは異なるため個々の体質や生活などに適した薬剤の選択が重要となる
- 消化器症状
- 口渇、吐き気、便秘などがあらわれる場合がある
- 痙攣誘発に関しての注意
- 本剤中の全ての薬剤でおこるわけではなく、当てはまる一部の薬剤においても頻度は非常に稀である
- 顔や手足の筋肉がぴくつく、一時的にボーっとして意識が薄れるなどの症状がみられる場合がある
- 上記のような症状がみられる場合は放置せず、医師や薬剤師に連絡する
解説:
1、眠りが浅い、頻尿、睡眠時無呼吸症候群などが原因として考えられますが、抗ヒスタミン薬の作用・副作用には当てはまらないので誤りです。
3、抗ヒスタミン薬ではなく、ヒスタミンの働きでしょうか。むずむず脚症候群にも似ています。誤りです。
4、睡眠時無呼吸症候群の症状です。誤り。
5、レム睡眠行動障害の症状です。これも誤りです。
問題 107
- 1 ターミナルケア(terminal care)
- 2 インフォームドコンセント(informed consent)
- 3 リビングウィル(living will)
- 4 デスカンファレンス(death conference)
- 5 グリーフケア(grief care)
終末期に関する問題です。
リビング・ウィル(living will)とは、生前の意思という意味の英語の音訳。生前に行われる尊厳死に対してであれば「尊厳死の権利を主張して、延命治療の打ち切りを希望する」などといった意思表示のこと。またそれを記録した「遺言書」などのこと。インフォームド・コンセントの浸透とともに、このような考え方が広まってきた。ほかに葬儀の方法や、臓器提供の可否などがリビング・ウィルの対象として論じられることが多い。
参考:Wikipedia より
人生会議やアドバンス・ケア・プランニング(ACP)など100年時代の人生の最期をどのように迎えるかという課題の一部分がリビング・ウィルに当たるかと思います。
解説:
1、ターミナル=終末期におこなわれる、医療・看護的、介護的ケアのことです。少しでも心穏やかに過ごせるように痛みや不安、ストレスを緩和し、患者様のQOL(クオリティオブライフ=自分らしい生活の質)を保つことを目的としています。誤りです。
2、治療の内容についてよく説明を受けinformed(充分に理解)した上で、対象者が自らの自由意志に基づいて医療従事者と方針においてconsent(合意する)こと。医師の説明と同意が必要という事。誤り。
4、元々は、患者さんが亡くなった後に、ケアを振り返り今後のケアの質を高めるためにおこなわれる会議の事。話し合いを通して看護師個々の成長を支援することも目的としています。誤りです。
5、グリーフとは、直訳すれば「深い悲しみ」や「悲嘆」を意味する言葉で、大切な人を失ったときに起こる身体上・精神上の変化を指します。死別はもちろんのこと、離婚などによって関係がきれるとき、引越しで慣れ親しんだ場所から離れるとき、職を失くしたとき、ペットが死んだときなど、さまざまな状況で私たちはグリーフを経験します。グリーフは喪失に対する自然な反応で、誰にでもいつかは起こることです。グリーフケアはこのような状態にある人に、さりげなく寄り添い、援助することを言います。誤り。
問題 108
- 1 関節の強直
- 2 角膜の混濁
- 3 皮膚の死斑
- 4 下顎呼吸の出現
- 5 筋肉の硬直
死亡直前のからだの変化と死亡直後のからだの変化に関する問題です。
参考:鳥取市立病院PDFより
解説:
1、死亡後に見られる変化なので誤りです。
2、死亡後に見られる変化なので誤り。
3、死亡後の変化になりますので誤り。
5、死亡後の変化なので誤りです。
それでは、今回はこの辺で失礼いたします。
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